
仙台市と(財)仙台市市民文化事業団は、舞台芸術を振興する「劇都事業」の一つとして、平成13年度に「仙台劇のまち戯曲賞」を設立。全国から新作戯曲を募集し、選考委員に当代気鋭の演出家・劇作家を起用して、最終候補作のリーディング、大賞受賞作品の舞台化など、これまでにない特色あふれる戯曲賞として話題を集めました。大賞作品は戯曲賞シリーズとして書籍化しています。
仙台劇のまち戯曲賞本
■第一回大賞作品「闇光る」 作/キタモトマサヤ
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<あらすじ>
1970年代のある年。
山が壊され、海が埋め立てられ、農地が更地となって変貌してゆく時代。
関西の山あいにある田舎町。『ツダ』という地名の架空の町が舞台。
秋祭りの前々日。大型台風の接近が伝えられている。明日は祭りの山車の試験曳きの日。町に生まれた若者は、たとえ遠方に就職していようとも祭事を祝うため、山車を曳くために何を置いても帰郷してくる。
場所は丘の上に建つ中学校舎のふもと。防空壕の中。
若者たちの血をたぎらせる祭りへの興奮と、近づく台風と、戦争の名残りをとどめる暗く湿った防空壕の中という日常からは少々隔たる状況の小世界で、このドラマは展開する。
陽が西に傾きはじめる時間。壕の中にひとりの女(アズミ)がやってくる。アズミは高校を卒業するかしないかのうちにツダの町を逃げるように出て行った女性である。ウワサでは幼なじみでひとつ年上のヨシキからの乱暴から逃げるために行方をくらませたと言われている。また、ヨシキはアズミと同様に行方不明となったミチヨとも二重に付き合っていたと伝えられている。アズミとヨシキは壕の中ではからずも再会する。
時代背景と村社会、青春の苦渋に満ちた心の奥底の《闇》に光が当てられていくうちに、現在へとつながる日本の、昭和の時代に生きる<ニンゲン>の生き様と青春の残滓が闇の奥底から光りはじめる。 |
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■第二回大賞作品「ドドミノ」 作/柴幸男
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<あらすじ>
ある大学の倉庫。その中でドミノを並べ続ける4人の学生。
全国大学対抗ドミノ選手権の予選締め切りは明後日。しかし、昨晩の地震で今まで並べていたドミノはすべて倒れてしまい、彼らは焦っていた。
リーダーの高山田は偶然にも同じ大学に入っていた自分の後輩ササボンこと、佐々木ささ男を騙してドミノチームに参加させようとする。しかし、部屋に連れてこられたのは吉田哲朗というまったく関係のない男だった。本物の佐々木、佐々木のペットの巨大バッタ、吉田のペットのジュリアンと人物は入れ乱れ、状況は混乱し、ドミノはすべて崩れてしまう。
その翌日、昨日の事故に責任を感じた吉田は朝早くからドミノを並べていた。杉は吉田のドミノさばきに感心し吉田をチームに参加させることを思いつく。しかし、チームは5人まで。誰か一人がやめなければならない。もめる6人。しかし、佐々木が自ら名乗り出て場は納まり、佐々木を除いた5人でもう一度ドミノを並べ始める。しかし、はるかは高山田が今までひとつもドミノを並べてないことに気がつく。刻一刻と近づく締め切りを前に、高山田の過去と秘密が明らかに…。
そしてドミノ並べの結末は…。 |
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■第三回大賞作品「ミチユキ→キサラギ」 作/中澤日菜子
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<あらすじ>
ゴロウ、チセ、カズヒコの三人は、夫婦(ゴロウとチセ)とその弟(カズヒコ)と偽り詐欺を繰り返しながら日本全国を旅している。チセは、ゴロウと夫婦でありながら、カズヒコとも関係を持っている。カズヒコは密かにチセと一緒に逃げ出す計画を立てている。二人の男に挟まれ旅に疲れ生き続けることに疑問を感じているチセ。
とある大雪の夜。カズヒコが結婚詐欺の相手として騙してきた緑子を、アパートに連れてきた。やがてチセが自殺企図を持っていること、カズヒコがチセと逃げようとしていること、三人が緑子を騙していたことが明らかになっていく…。
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■第四回大賞作品「はだか道」 作/平塚直隆
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<あらすじ>
ある日、インターネットゲームを作る会社が、温泉旅館に慰安旅行に来ました。みんな、会社では黙々とパソコンに向かっているので、あまりコミュニケ―ションが上手くありません。顔は知っていても、話をした事が無いとか、そんなのは当たり前の職場みたいです。だから、会社の社長なんかは、そういう職場環境はどうなんだろ?と思って、こういう慰安旅行に、半ば強制的に社員を連れて来たりするんです。
で、今日初めて喋ったという、田所と中西。二人は、お風呂で出会いました。温泉旅館です。周りは山しか無くて、温泉に入るくらいしかする事が無いのです。お風呂で挨拶を交わして、裸の付き合いをすれば、まあ、ある程度気心は知れるだろう、という社長の思惑はそれほど外れている訳でもなかったのですが、まずかったのは、この旅館でした。旅館の女将が、少し離れた所に「秘湯」と言われる露天風呂があると教えてくれたのです。
「もう、すぐそこだから」という事で、田所と中西は、バスタオル姿のままその「秘湯」へ向かったのですが、行けども行けども、その「秘湯」は見当たりません。明らかにケモノ道です。「こりゃあ道を間違えたな、引き返そう」と来た道を戻ったのですが、今度は行けども行けども、旅館に辿り着かない。二人はバスタオルという無防備な姿のまま、森の中を彷徨う事になってしまいました。ようやく辿り着いたのは、朽ち果てた小屋と、打ち捨てられたバスタブのある場所。そこには彼ら同様に、道に迷った人達が代わる代わる現れては、先行き不透明な会話をするのでした。
で、人の良さそうなおじさん風の山賊や、経理の林さんにそっくりな幽霊なんかも出てきたりして。
こんな調子で、二人は無事に露天風呂に、旅館にたどり着けるのでしょうか? |
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